メイン画像

【嫌われ者・役立たず それ ほんと?】第11弾 クサンティッペ(ソクラテスの妻)

【嫌われ者・役立たず それ ほんと?】第11弾 クサンティッペ(ソクラテスの妻)


皆様、世界3大悪妻って聞いたことありますか?

ソクラテスの妻クサンティッペ、モーツァルトの妻コンスタンツェ、トルストイの妻ソフィアを指します。

 

今回紹介するのは、ソクラテスの妻クサンティッペです!

今までは植物や自然現象、動物などだったのですが、がちで人間来ました!w

だからこそシャレにならない所がある?と思いきや、ソクラテスの器の大きさとクサンティッペ側の言い分に、納得しちゃいます。

 
◆ソクラテスとは?

ソクラテスと言えば古代ギリシアの哲学者で、言わずと知れた「哲学の祖」と言われている偉人。

「不知の知(自分は知らないとちゃんと認識している)」や「善く生きる」など数々の生き方哲学を後世に伝えています。

 

実はソクラテス、著書を一切残していません。

ですから彼がどんなことを考えていたかは(クサンティッペをどう思っていたかも)、弟子たちの著書を見て知るしかないのです。


 ◆クサンティッペの人物像

その弟子のひとりクセノフォンの著書と『哲学者列伝』を著したらエルティオスの著者の一説にクサンティッペのことが書かれています。

・ガミガミ小言が多く、人前で夫を罵倒したり、公衆の面前で夫に水をぶっかけたりした。

・過去現在未来、これほど耐え難い女はいない。

 

うわぁ、自分の妻でもないのに、散々な言いようですね。

ここまで夫の親しい人に言われたら、普通に心折れる(>_<)

 

でもね、ソクラテスは70歳の時に死刑宣告を受け(アテナイの若者たちを堕落させた罪として)、逃がしてくれる人がいたのにもかかわらず、「決して不正を犯さない」という信念に則って死刑に処されるんですが、それまですっとクサンティッペと添い遂げるんですよ。

 

その理由がこちら!

〇良い妻に恵まれれば幸せになれるが、悪い妻を持てば私のように哲学者になれる。

〇「別れないのか?」という問いに、「クサンティッペとうまくやっていけたら、誰とでもうまくやっていけるから」と答えを返した。

〇ソクラテスを慕っている若者がクサンティッペを滑車に例えて「ソクラテスはガラガラいうのを我慢していますよね」というと、ソクラテスはこう答えます。「君だって鵞鳥ががあがあいうのを我慢してるじゃないか」若者は「でも鵞鳥は私に卵やヒヨコを生んでくれます」というので、ソクラテスは「クサンティッペは、私に子供を産んでくれたよ」と答えた。

 

ソクラテスの器のデカさを感じますね。

それにソクラテスはきちんと妻の立場を考える人だったと想像できます。

クサンティッペはソクラテスが亡くなる時に、子供を抱っこして泣いていたと言います。

ソクラテスは子供を産んでくれたクサンティッペに感謝しており、クサンティッペは夫の命を惜しんでいる。このことから決して、夫婦仲は悪くなかったのでは?と予想できるでしょう。(もしかしたら、夫が亡くなって、これからの生活どうしよう?の涙かもしれませんが、長年一緒に暮らし、子供をもうけたという情はあったはずです。本当に憎むほど嫌いだったら、涙さえ出ないかと。)

 
◆クサンティッペ側の言い分

そしてクサンティッペ側から見た言い分を考えてみると、さらに「嫌われ者」という概念から外れていきます。

 

柳 広司さんの「ソクラテスの妻」という本があるのですが、その中ではクサンティッペの苦労が描かれています。

 

ソクラテスは、哲学問答に夢中で着るものや履くものにこだわらない。

服は食べこぼしのシミだらけで、年中裸足で出かけていきます。

「私が恥ずかしいから、ちゃんとしたものを身に着けてください」とクサンティッペが言っても全然意に介さないのです。

これは妻としては、小言が多くなりますね。

旦那様が汚い格好をしていると、妻が妻の役割を果たしていないと思われますものね。

 

お客様が家で待っていたので、アゴラ(広場)のいるソクラテスを呼びに行くと、案の定若い人たちと議論を交わしていました。

クサンティッペが「ねぇ、お客さまが待っていらっしゃるのよ」と声をかけても、議論に夢中でどこ吹く風。

それでクサンティッペは業を煮やして、水をぶっかけたのです。

 

いかがでしょう?

確かに気性が激しい女性であることは間違いなさそうですが、行動に理解はできますよね。

 

私などは、ソクラテスの妻だからクサンティッペはあんな風に悪妻と呼ばれる人になってしまったのだろうと同情を禁じえませんでした。

 

歴史上の人物は本当の事実は藪の中なので、どうしても想像が入り混じります。

しかし、クサンティッペが悪妻、嫌われ者であることに同情する声は専門家の間でもちらほらありますので、やはりあの偉大な「ソクラテスの妻」をやることは本当に大変だったのだと実感します。

 

普通の結婚でも大変なのに、偉人の妻は数千年後までこんな風に話題にされてしまうのですね。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました!

 


アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?


この記事が気に入ったら ライターチョコお茶 さんを応援しませんか?
メッセージを添えてチップを送ることができます。


この記事にコメントをしてみませんか?


童話作家を目指している女性です。ゆったりと穏やかに、文章を綴っていきたいです。自作の童話も時々載せますので、よろしくお願いいたします。

おすすめの記事