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原発を再稼働させれば電気代は本当に下がるのか?

原発を再稼働させれば電気代は本当に下がるのか?


挨拶と、この「備忘録」サイトの目的と、そしてお願い (topview.jp)
↑全体の主旨や目的等についてまとめました(固定記事)です。初めましての方は、こちらもよろしくお願いし
ます。

先日、原発再稼働賛成が反対を上回ったというニュースが出ました。
原発再稼働、賛成51% 震災後初めて賛否が逆転 朝日新聞世論調査:朝日新聞デジタル (asahi.com)

さて、本当に原発を再稼働させれば、電気代は下がるのでしょうか?

それに、電気代は間違いなく下げるし、今後もずっと上げないよ!と約束してくれている政治家や関係者はいるのでしょうか?

ということも含めたのが、今回の投稿の中身です。



原発のトラブルはちょこちょこ起きている状態が続いている

まずはこちら。原発を再稼働させるなら、「安全性」も大切です。

関西電力 高浜原発4号機が自動停止 原因を調査 | NHK | 各地の原発

自動停止した高浜原発 原因は『制御棒』駆動装置 予期せぬ原子炉内落下で中性子急減(MBSニュース) - Yahoo!ニュース

■発覚時のニュース
原子力規制庁によりますと、30日午後3時20分ごろ、福井県高浜町にある運転中の関西電力高浜原発4号機で、原子炉内の核分裂の状態を示す中性子の量が急激に減少したという異常を知らせる信号が出て原子炉が自動停止したということです。
2023.01.30 NHK

■原因についてのニュース
制御棒が予期せぬ形で原子炉に落下し、中性子を吸いつけて量が急減、警報が発信されたとみられます。

 その後の調査で、制御棒駆動装置の一部の電源をオンからオフに切り替えたところ、本来作動すべき制御棒とは別の制御棒が原子炉に挿入されるケースも生じたということです。
2023.2.17 MBSニュース(NHKでは報じていないようでした)



東海第二原発 非常用発電機を冷却するポンプ自動停止 東海村|NHK 茨城県のニュース

日本原子力発電によりますと、21日午前、運転停止中の東海第二発電所で定期確認のため非常用発電機を稼働させていたところ、発電機を冷却するための海水ポンプが自動停止したということです。原因は分かっていないということです。

2023.02.21 NHK

※自民党広告塔であるNHKなのでマイルド(?)に「自動停止」で終えていますが、他のニュースでは「非常用電源が停止、電源を喪失した」と書いています。どちらにしろ、原因は不明とのこと。


この他、関西電力美浜発電所、東電柏崎刈羽原子力発電所等、昔から事故が起きています。

東電関係者は全員無罪になっている

原発における過去最大の事故が起きた後、お偉いさんはどうなったのでしょうか?

東電トップらに二審も無罪判決 原発事故で強制起訴、刑事責任認めず:朝日新聞デジタル (asahi.com)

東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電の勝俣恒久・元会長(82)、武黒一郎・元副社長(76)、武藤栄・元副社長(72)の3被告に対する控訴審判決が18日、東京高裁(細田啓介裁判長)であった。高裁は3人を無罪とした一審・東京地裁判決を「不合理な点はない」と支持し、検察官役の指定弁護士の控訴を棄却した。指定弁護士は「上告の可否を検討する」と述べた。
2023.01.18 朝日新聞


結局は、今後もどんなに何が起こっても、原発を推進してきた人や関わっていた人たちはなにひとつ責任を負うことはありません。私たち国民の生命が更に脅かされるだけで。


※なお、民事では責任が認められています。とはいえ、刑事裁判で有罪になるのとは意味が違いますしね…。

2011年以前から原発の危険性は指摘されていた

2006年は安倍内閣(第一次)でしたが、この時にすでに以下のような懸念が指摘されていました。

■質問主意書(日本共産党の吉井英勝衆院議員(当時))

地震による送電鉄塔の倒壊などで外部電源が失われたさいに、内部電源=ディーゼル発電機やバッテリーなどの非常用電源も働かなくなった場合には「機器冷却系は動かないことになる」と警告。
また、スウェーデンのフォルスマルク原発で2系列の非常用電源が同時に故障した例も提示。

■答弁書(安倍首相(当時))

過去にも落雷や鉄塔倒壊で送電が止まり、原子炉が非常停止した実例が日本にあることを認めながら、日本の原発はフォルスマルク原発と「異なる設計になっている」から「同様の事態が発生するとは考えられない」と断言し、警告を一切無視。

 メルトダウンをもたらす燃料焼損の可能性についても、「経済産業省としては、お尋ねの評価は行っておらず、原子炉の冷却ができない事態が生じないように安全の確保に万全を期している」と自信たっぷりに宣言。

■実は津波が起こることは想定内となっていた

869年、「貞観(じょうがん)地震」によって三陸沿岸では大津波が発生しました。この大津波の研究も進んでおり、既に「原発を地震や津波が襲う」ことは想定内になっていました。


それでも、何の対応もしてこなく、地震や大津波なんてこないよ、とばかりの態度。そして、実際に問題が起きても、全てを「想定外」で逃げ切ろうとしているのが自民党と関係者です。

しかし、日本は自然災害大国ですよね。想定外になっていることの方が不自然だと思うのは私だけでしょうか。それにもかかわらず、再再現の努力すらせずに安全神話を謳い続けているのが自民党です。責任も取らず。データも改ざんしながら。

原発を再稼働すれば本当に電気代は安くなるのか?

原発は事故も増えています。老朽化しています。細部はガタついています、既に。2011年3月のようなことがまた起これば、もっと悲惨なことになるでしょう。

さて、福島第一原発の廃炉はどうなったのでしょうか?

廃炉に莫大なお金がかかっていることがわかっています。また、その負担は国民に負わせるということも。
福島第一原発の事故処理費用、10年間で13兆円 政府想定21.5兆円超える懸念強く:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

東京電力福島第一原発事故から10年間で、廃炉作業や被災者への損害賠償、汚染地域の除染といった事故処理にかかった費用は少なくとも13・3兆円に上ることが本紙の取材で分かった。政府は処理費を総額21・5兆円と見込むが、廃炉作業などが難航し、想定を上回る可能性が濃厚。賠償費用などは国が立て替えた後、電気料金や税金をもとにした資金から少しずつ「返済」されていく。こうした国民負担が今後数十年は続くとみられる。(妹尾聡太)

2021.03.23 東京新聞

ここにも書いてあるように、費用は電気代に転嫁されます。廃炉にかかる莫大な費用からしても、どう考えても「電気代が安くなる(私たちの生活を圧迫しない、むしろ負担感があまりないレベル)」未来なんて見えないのは私だけでしょうか?

だって、これは「福島第一原発」だけの話ですからね。これから他のも廃炉にしたり、先ほども書いたように修繕費とかも色々かかるでしょう。

建設費。維持費や保守費。老朽化に対する対策費。故障トラブルがあった時の修繕費や処理費。


こういったものは、ひとまずは国家予算で多額の予算を組んで賄われているものですが、さて、その予算はどこから?今は私たちの税金からですよね。露骨に電気代に転嫁されなかったとしても、税金に乗せられたりするでしょうね。


原発が安いのはあくまでも「発電コスト」だけです。そして電気代は発電コストだけで算出されているわけではありません。

自民党が原発にこだわるのはあくまでも「利権」のため

これは少し前に別記事に書いています。
原発問題:国民の生活や健康、いのちよりも「利権」の方が大事 (topview.jp)

ここでも書いているのですが、天下りのための団体(財団法人とか)がたーくさんあるんですよ。また、建設とかでゼネコンとかも利権にあずかれる構図です。原発って。そして中抜きもしまくり。

私たちがいくら苦しもうとも、彼らはむしろ肥えていきます。

39兆円規模の総合経済対策はどこにいった

去年の秋の暮に、39兆円規模の総合経済対策が発表されていますが…1月から電気代2割補助とか言ってますが、それはどこに?

それに、春先からの値上げは決まっています。結局はそこで取り戻される格好、なんならもっとぼられる形になっています。

 

インボイス制度が本格的に始まれば、電気代はまた上がる

インボイス導入で生じる大手電力会社の消費税負担を、”電気料金の値上げ”で対応する方針とのことですよ。それがゆえに、値上げされていくことは確定です。

(インボイス導入が廃止されれば、この話もなくなります。)


自民党や関係者は「稼働すれば値下げする」と約束していない

原発を再稼働すれば、新しいのを作れば、電気代が下がるはずだ!ということで原発に賛成する国民が増えてきているみたいですが、

「電気代は間違いなく下がる」
「なんならこの先値上げすることはない」

と明確に約束してくれている政治家や電力会社の責任者っていますっけ?かつ、原発は完全に安心安全であるよう、2011年3月の過ちを繰り返さないように努力している姿を見せてくれていますか?


上記でも書きましたが、何か事故が起きてもすべて「想定外」ですよ。インボイス制度の負担を電気代に回そうとしていますよ。老朽化等でかさむ費用も廃炉にかかる費用も電気代に回されます。または増税という名目か。


まぁ、もしかしたら国政選挙のタイミングでの一時的な値下げまたは補助はあるかもしれませんけど。

ヨーロッパの原発率を引き合いに出す人も多いが…

例えばフランスは原発に積極的な国の1つです。

ですが、このフランスの地震の頻度はご存知でしょうか?
有感地震(人間が揺れを感じることができる地震)は年間に10~25回です。ちなみに日本では1,000回を超えます。

その地震も最大でM5.4とかです。普段はそこまでいきません。ちなみにイギリスでは震度1の地震が起きただけで新聞をにぎわせたそうですよ。

このような国々が脱炭素を考えて原発を作るのと、日本が作るのじゃ、全く意味が違うと思いませんか?


 

それに、戦争したがっている国が原発って?

戦争関連の投稿で書いてきていますが、原発列島とも言える日本を潰すなら、まずは輸出を止める。次は原発をピンポイントで狙う。

それだけで日本という土地はあっという間に住めなくなりますよね。だったら、どうしても原発にこだわるなら、せめて「戦争にならないよう外交努力」すべきではないでしょうか。

そんな努力もせず、むしろ緊張を高めている日本。そういったことさえも「想定外」として済ませるつもりみたいですね。「本当に戦争になるなんて思わなかった!」とか?
それとも「原発を狙うなんて非人道的行為だ!」とでもいうつもりなのでしょうか。

戦争になったらなんでもありですよ。非人道的もくそもありません。

あとがき

国政選挙のタイミングで、票を得るために値下げや補助はあるかもしれませんが、基本的には原発稼働が続けば続くほど、値上げを止めるのは難しいと思っていた方がいいのではないかと、私は考えています。


なんなら自然エネルギーには恵まれている日本こそが、再生可能エネルギーで世界をリードしてみせる!となればいいのに、と思います。

ですが、それすら全く、検討すらしないでただひたすら原発にしがみつくその姿は、利権をむさぼるためだということは、もうわかりきっているはずではないでしょうか。


それでも、「電気代を上げて国民を脅せば」今回の調査のような結果が出てしまうのですから、そりゃいくら支持率が下がろうとも、自民党が国民を大切にしないのは当然です。むしろ「やっぱりチョロいな」ぐらいにしか思っていないでしょうね。


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