熱中症・日射病・熱射病って違うの? 熱中症への対策
熱中症・日射病・熱射病って違うの? 熱中症への対策
気温が高くなってくると、「熱中症に注意しましょう」というニュースが頻繁に流れます。
ヒトの体は、熱が作られる「産熱」と熱を放出する「放熱」によって、通常、37.5度ぐらいに保たれています。
周りの温度が暑いなど、このバランスが崩れてしまうと、体温が著しく上昇します。このバランスが崩れた状態が、熱中症です。
その結果、意識障害やけいれん、頭痛、目まい、手足のしびれ、筋肉の痛み、血圧低下、肝臓や腎臓の障害などの症状が起こり、ひどい場合には死に至ります。
1.熱中症・日射病・熱射病の関係
昔は、強い直射日光が原因の「日射病」や、高温多湿なところにいて起こる「熱射病」と、呼ばれ方が様々でした。
しかし、2000年から「日本神経救急学会」と「日本救急医学会」が、「熱中症」に統一しました。
熱射病、日射病という呼び方がなくなったわけではなく、色々な原因ごとに分ける必要のない総合的な名前として、「熱中症」を使うことにしたということです。
2.熱中症の重症度による3つの分類
熱中症は、重症度により3つに分けられます。
それぞれの症状と対処法を是非ご参照ください。
3.熱中症が起こりやすい場所
熱中症は、前述したとおり、「産熱」と「放熱」のバランスが崩れてしまった状態なので、炎天下に長時間いた場合だけでなく、突然気温が上がった時、寒暖差の激しい時など身体が暑さになれていない時期にかかりやすい病気でもあります。
注意したいのは、気温が低い日でも湿度が高いと熱中症にかかりやすくなるということです。
室内型熱中症は、こういう状態の為、温度だけでなく湿度にも気を付けたいですね。
4.熱中症の予防
4-1.暑さ対策
直射日光を避けること、なるべく日陰を歩いたり、帽子や日傘を使うなどが効果的です。
家の中では、直射日光を遮る工夫、扇風機やエアコンで室温・湿度を調整して過ごすと良いです。
4-2.服装を工夫
外からの熱の吸収を抑え、体内の熱をスムーズに逃がす服装が理想といえます。
素材でいうと、吸収性や通気性の高い綿や麻などがよいとされています。
「肌着」は着るのがおすすめです。汗が肌着に吸収されるため、体温を下げられることの加え、肌着とトップスとのあいだに空気の層が生まれることで熱を逃がします。速乾性のある肌着を着るなどの工夫が良いですね。
4-3.こまめな水分補給
厚生労働省による熱中症予防対策マニュアルには、
定期的な水分及び塩分の摂取については、作業強度等に応じて必要な摂取量等は異なりますが、WBGT 基準値※1を超える場合には、少なくとも、0.1~0.2%の食塩水又はナトリウム 40~80 ㎎/100 ㎖のスポーツドリンク又は経口補水液等を、20~30 分ごとにカップ 1~2 杯程度は摂取することが望ましいところです。
とあります。
4-3-1.経口補水液
経口補水液は、スポーツドリンクよりも電解質濃度が高く、反対に糖分濃度は低く作られています。不足している水分と電解質を速やかに補ってくれますが、塩分濃度が高いので、普段の水分補給には適していません。
例;OS-1®、アクアソリタ®など
4-3-2.スポーツドリンク
スポーツドリンクには、大きくアイソトニックとハイポトニックの2種類があります。
①アイソトニック(等張液) 例;アクエリアス®、ポカリスエット®、グリーン ダ・カ・ラ®など
身体をほとんど動かしていないときの体液と同じくらいの成分濃度・浸透圧で作られています。飲むことで水分や塩分をバランスよく摂取することができます。普段の水分補給にも用いることができます。
②ハイポトニック(低張液) 例;VAAM®、アミノバイタル®など
アイソトニックよりも塩分や浸透圧が低めに作られています。激しい運動をしている時や運動後は体液が薄くなっているため、ハイポトニックのスポーツドリンクによる水分補給が効率的です。
4-4. 暑さに備えた体作り
日頃のウォーキングやランニングなどの運動で汗をかく習慣により、暑さに体を慣らしておくことが大切な予防法の一つとなります。
これから暑くなる季節。
熱中症に関する知識を整理して、対策していけるとよいですね🎵
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