#75【川瀬巴水】 塩原しほがま
#75【川瀬巴水】 塩原しほがま
2024/06/4 18:37 |
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皆様、こんにちは。
今日は色彩豊かな世界を創り出した川瀬巴水の作品を一緒に探求し、その魅力を解き明かしていきます。
作品名:塩原しほがま
シリーズ名:塩原三部作(他「塩原おかね路」「塩原畑下り」)
制作年:1918年、大正7年
大正7年に発表された注目の文学作品:「子をつれて」葛西善蔵
大正7年のスクリーンを彩った映画:「蟻と鳩」日活向島製作所、アニメ映画
大正7年のヒットチャートを振り返る:「赤い鳥小鳥」詩:北原白秋
技法:木版
サイズ:45.4×16.6㎝
現在の所在:千葉市美術品
批評と解釈:処女作「塩原三部作」のひとつ。35歳でのデビューは遅かったが、好評となった。
主題とモチーフ:栃木県塩原。温泉地として有名。巴水が幼い頃すごした土地。
多く使われている色:茶、青
松本の視点:ばれんと呼ばれる版画の道具による繊細なこすり跡が、作品に風合いを与えています。
秋の山々を豊かで深い色彩で表現し、明るいオレンジの差し色が見事に調和しています。
また自然の豊かさに息づく人々の営みも表現されています。
鑑賞者の心をつかむ作品です。
この度は色彩豊かな川瀬巴水の物語にご同行いただき、誠にありがとうございました。
次回も、彼の描く世界を一緒に楽しんでまいりましょう。
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絵画インストラクター 松本と申します。大人の皆様が心穏やかに美の世界を堪能し、日常が潤うような美術話をご提供いたします。今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します。
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松本さんの視点が毎回発見があって楽しみです!
0ばれんのこすり跡ってどこら辺をいうのでしょう?
いつも温かいコメントをいただき、心より感謝しております。「ばれんのこすり跡」についてのご質問、ありがとうございます。ばれんのこすり跡は、版画の紙に色を定着させる際に、ばれんを使ってこすりつけることで生じる独特の質感を指します。これは版画の魅力の一つであり、作品に深みと生命観を与えてくれる要素です。今回ご紹介した「塩原しおがま」では絵の下部、建物の下の土の質感にばれんのこすり跡が顕著にみられます。私の記事を通じて美術に対するご興味が深まり、ご自身でさらに探求するきっかけになれば幸いです。
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