
#22【葛飾北斎】富嶽三十六景「武州玉川」
#22【葛飾北斎】富嶽三十六景「武州玉川」
2021/10/31 09:32 |
890 文字
皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。
玉川に船が浮かぶ様子は
とても情緒があります。
(^^♪
現代には紙に絵や文字を
凸凹にする「エンボス加工」という
手法があります。
今回は
江戸時代のエンボス加工、
「空摺(からずり)」が
玉川の表現の要です。
(^^♪
葛飾北斎ってどんな画家?
水面の美しさ!!

富士山
空を「一文字ぼかし」(いちもんじぼかし)
で表現しています。
(濃ゆい青の部分を横にぼかしているところ)

渡し舟
玉川には多くの渡し舟がありました。

玉川の渡し舟の歴史
江戸時代 39か所
昭和48年 最後の渡し舟「管の渡し」廃止
馬子(まご)
馬で荷物を運ぶ人。
馬追い、馬方、馬曳(うまひき)とも
よばれる。

空摺(からずり)の技法
絵の具なし!
強く擦って紙をデコボコに。
水面の表現が逸脱です。

静寂の中、
渡し舟の進む音や
馬の息づかいが聴こえそうです。
上空からみると幅が
かなりあり
大きな川ですね!

(多摩川の関戸橋 上空より)
江戸で火事があると
玉川上流周辺の木々を伐採し
筏(いかだ)にして送ったとのこと。
漁業や人の往来、
江戸の生活の中に玉川は深く
関わっていたのですね。
画面を三分割する構図を考え
絵に活かしていました。
画面を三分割

おおよそこの範囲にそれぞれ
遠景、中景、近景を
配置しています。

奥行き感のある絵に
なっています!!
また渡し舟と富士山の間に
雲が大きくかかり神秘的です。
まるで三途の川でも見ているよう・・・💦
富士山への憧れと畏敬の念を感じる
一枚だと思いました。
以上「武州玉川」の解説でした。
次回「富嶽三十六景 東海道程ヶ谷」とうかいどうほどがや
絵画インストラクターの松本です。
玉川に船が浮かぶ様子は
とても情緒があります。
(^^♪
現代には紙に絵や文字を
凸凹にする「エンボス加工」という
手法があります。
今回は
江戸時代のエンボス加工、
「空摺(からずり)」が
玉川の表現の要です。
(^^♪
葛飾北斎ってどんな画家?
- 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
- 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
- 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
- 引っ越し93回!
- 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
- 全46枚!
- 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
- 富士山を色々な場所から描く
富嶽三十六景「武州玉川」ぶしゅうたまがわ
スッと目に留まる水面の美しさ!!

富士山
空を「一文字ぼかし」(いちもんじぼかし)
で表現しています。
(濃ゆい青の部分を横にぼかしているところ)

渡し舟
玉川には多くの渡し舟がありました。

玉川の渡し舟の歴史
江戸時代 39か所
昭和48年 最後の渡し舟「管の渡し」廃止
馬子(まご)
馬で荷物を運ぶ人。
馬追い、馬方、馬曳(うまひき)とも
よばれる。

空摺(からずり)の技法
絵の具なし!
強く擦って紙をデコボコに。
水面の表現が逸脱です。

静寂の中、
渡し舟の進む音や
馬の息づかいが聴こえそうです。
玉川は現在の多摩川
玉川は現在の多摩川です。上空からみると幅が
かなりあり
大きな川ですね!

(多摩川の関戸橋 上空より)
江戸で火事があると
玉川上流周辺の木々を伐採し
筏(いかだ)にして送ったとのこと。
漁業や人の往来、
江戸の生活の中に玉川は深く
関わっていたのですね。
北斎の構図「遠景」「中景」「近景」
北斎は三ツ割法という画面を三分割する構図を考え
絵に活かしていました。
画面を三分割

おおよそこの範囲にそれぞれ
遠景、中景、近景を
配置しています。

奥行き感のある絵に
なっています!!
また渡し舟と富士山の間に
雲が大きくかかり神秘的です。
まるで三途の川でも見ているよう・・・💦
富士山への憧れと畏敬の念を感じる
一枚だと思いました。
以上「武州玉川」の解説でした。
次回「富嶽三十六景 東海道程ヶ谷」とうかいどうほどがや
の解説です。
お楽しみに!!☆
お楽しみに!!☆
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シンプルな色と図の配置に、とてつもなく奥行きを感じたのは三ツ割法でしたか。優しい色合いと揺らぎに心が癒されました。読ませていただき、ありがとうございました!
52こちらこそ読んでいただきありがとうございました!
40私も揺らぎの表現は美しいなぁと思いました。穏やかな川面が想像できました。普段は穏やかですが、水害が多い川でもあり現在は「多摩川緊急治水プロジェクト」という推移を下げる改修が行われているそうです。改修後はいつでも穏やかな川になることを願っています!
おち様よりコメントいただきました!
30大きな富士、そして空と川の青さ美しい1枚ですね。
空摺という技法を初めて知りました。この時代から立体的な表現方法があったのですね。ここに静寂さや、繊細な音を表現するという観点は、絵の存在自体に迫力があるからこそ、なのだと感じました。
全体的にバランスの取れた印象でしたが、三分割法という構図なのですね。奥行き感や三途の川と連想される表現もまた、神秘的で素敵ですね。
おち様、コメントありがとうございます!
23三分割法(北斎の解説では三ツ割法)は、カメラの構図でもよく利用される構図です。画面の三分割上に被写体や水平線を置くとバランスのとれた作品になります。
おち様の「神秘的で素敵」の感想のとおり、私もこの神秘的な雰囲気が素敵だなぁと思います。静かな情熱、青い炎のような作品です。
浮世絵の空摺の技法は、白い雪を表現する時にも使われていました。(歌川広重「江戸名所百景 浅草金龍山」など)江戸時代の絵師たちが表現に取り組む姿勢が真摯だなぁと思います。
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