【第2話】パニック障害・鬱発症と克服までの記録『母ちゃんはキュウリが切れない』
【第2話】パニック障害・鬱発症と克服までの記録『母ちゃんはキュウリが切れない』
長男(饅頭太郎)はスクスクと大きくなっていた。身体の大きさもさることながら性格も豪快だった。
母ちゃんは当時、饅頭太郎の育児に悩んでいた。「一人目だから大変なのかな?」と思っていたのだけれど、今になって振り返れば、生まれ持った性格で若干の“育てにくさ”のような物があったように思う。
ただ…、それが饅頭太郎が生まれながらに持ってきた愛おしい個性なのだ。
こだわりが強く、人の物が気になり、癇癪が起きるとなかなか切り替えられない。太郎のそんな所に当時の母ちゃんはとても悩んでいた。
ある時期、「太郎も大きくなってきたし、そろそろ私も支援センターでママ友なんて出来たら良いなぁ」なんて素敵な妄想を広げ、母ちゃんはちょっぴりオシャレをして出かけた。
いつもはスッピンだけれど、少しよそ行きモードで。
が!しかし!!
ママ友が出来るどころか、一時たりとも、ゆったりする時間など母ちゃんには無かった。
なぜなら、饅頭太郎は周りのお友達のオモチャに目を輝かせ、次から次へと奪いに行き始めたからだ。その姿はまさにジャイアン。お前の物は俺の物…。
結果、
他の子のオモチャめがけて高速ハイハイ
↓
オモチャ奪う
↓
お友達泣く
↓
髪振り乱して母ちゃん謝る(その子とママに)
↓
今度は事前にオモチャ取らないように饅頭太郎を食い止める
↓
饅頭太郎癇癪を起こす
こんな繰り返しで、ママ友はおろか饅頭太郎も楽しく遊べず、母ちゃんのキラキラ妄想した支援センターデビューは儚く散っていったのだ。
そしてまたある時は…、
スーパー帰り、饅頭太郎は第二子妊娠中の母ちゃんの為にお手伝いしようと意気込んでいた。
そんな事とは知らない母ちゃんは家に着くといつものようにスーパーの荷物を手に持った。それが太郎の逆鱗に触れる事となる。
「僕が持ってあげるだったーーー!!!」マンションのエントランスで癇癪を起こすこと30分以上…。
もはやこの時、もともと“母ちゃんの手助けの為”という彼の中のモチベーションは当然ながら忘れ去られているのは言うまでもない。
ちなみにこの時、母ちゃん下の子(おかめ花子)を妊娠中。
切迫気味だった母ちゃんは饅頭太郎を抱っこする事さえできず、出来る事と言えば自分の感情のスイッチをOFFにして、出来る限りイライラしないようにただただ、途方にくれる事のみ。
チーン((+_+))
そこへ……、「あの、さっきからずっとお子さんすごい声で泣いていますけど、大丈夫ですか??」の声。
振り返ると若い男の人が不審そうな顔でこちらを見ている。
きっと「虐待じゃない?大丈夫?」と泣き続ける声を聞いて心配して声をかけてくれたのだろう。
「あ、大丈夫です」とその方に返事をした。そう言うのが精いっぱいだった。“泣きたいのは私の方だよ”と癇癪を起こす太郎に向かって母ちゃんは思った。
そんな育児に悩む日がありながら、それでもただでは起きないのが私、キュウリ母ちゃん。
いつかこの悩みがだれかの役にたつかも…。育児について学ぶことで饅頭太郎も母ちゃんも、もっと笑顔で過ごせるかも…。
そんな思いで饅頭太郎が昼寝中や夜寝静まってから母ちゃんは手探りの育児の事について勉強した。結果…3年がかりで保育士の資格を取得するまでに。
どんだけ饅頭太郎の育児に悩んだんだよ(笑)でも、悩みって力を向ける方向を変えればエネルギーになるんだね。
饅頭太郎は5歳くらいまでわりと癇癪がひどくて、一度ワーッて泣いたり怒ったりすると切り替えるのにとっても時間がかかったけど、いまではすっかり落ち着いてきた。
これは本【発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法】 を参考に使わなくなったハイローチェアのマットで母ちゃんが作った饅頭太郎が3歳から5歳くらいまで使っていたサンドバック。
怒るという感情は自然なもの。それを抑え込むんじゃなくて感情を出す為の方法を考えたら良いんだと本を読んでとっても勉強になった。
こうして、母ちゃんは育児中保育士の資格をとり、数年後働き始める事となるのです。ところが、そこで人間関係に悩みまくり拗らせに拗らせていくのです( ;∀;)
第3話へつづく
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