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昭和なスナックの日常11

昭和なスナックの日常11


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

と、なるはずが、扉は開かない。

オープンして二時間お客はひとりだけ。
そのお客は、早くお客さんこないかなあと思っていた。
帰るに帰れないじゃないと、内心客なのにママを気遣う。

するとやっとお客がやってきた。
このお客さんは常連さんだった。
あんちゃんとしよう。

あんちゃん
「あっ、こんばんは」

ひと言目の、あっの気持ちわかるよ、と最初にやってきたお客はそう言いたくなったがことばを飲み込んだ。

あんちゃんは、いつものようにママとおしゃべりを始めた。
このお客は、カラオケをするより話し好きな人だった。

ところが、ひとしきり話すと珍しく自分から歌いましょうかねと、話題を変えた。

そうなんです。
今夜はお客がやってこないので、盛り上がりに欠けてたのです。

昨日からちょっとしたある事件でママともう一人の客は頭を抱えているところだったから、話していてもその話へとどうしてもシフトしていくので、とうとうあんちゃんから、カラオケをしようと言い出したのです。

いつもは、ママから、歌いましょうと勧めるのに今夜は珍しいこともあるものだと、あんちゃんがトイレに行った隙に話すママだった。

それからは閉店まで、歌って、歌って盛り上がって気持ちよくお開きになった。

あんちゃん、ありがとう。
今夜はナイスだったよ。
と、いつもは大人しい目立たないお客のあんちゃんに感謝したみんなだった。

今夜の話はいかがでしたか?

誰が主役になるかわかりません。
ひょつこり覗いてみると、あなたが主役かもしれません。
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
よろしかったら、「昭和なスナックの日常」の常連さんになりませんか?
 
 
~今回はここまで~
 
   2022年6月6日月曜日
 
      ライター:唯李
 
 
 
 




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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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