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【一郎丸ゆう子様の絵にお話しつけてみた】ツクシとにじいろのちょう

【一郎丸ゆう子様の絵にお話しつけてみた】ツクシとにじいろのちょう


 一郎丸ゆう子様の絵に触発されて(あまりにもにじいろのちょうが美しかった)、お話を書いてみました(^^)
ツクシだけ、絵には描かれていない登場キャラクターです。

一郎丸ゆう子様の記事はこちら→https://topview.jp/canva%E3%81%A7%E4%BD%9C%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88-12547

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『ツクシとにじいろのちょう』


 ある森のお花畑で、花の精たちが踊っています。

今日は月に一度ある、花の精が交代するパーティーが開かれているのです。

 

 今は4月の終わり。桃の花と桜の花の精から、ブドウの花の精へと代表が変わります。

桃の精とブドウの花の精は、美しい踊りを披露し、先ほどまで踊っていた桜の花の精は、にこにこと見守っていました。

 

 お花畑には色々な花や野草がありますが、その全てがパーティーで踊れるわけではありません。

ほら、今溜息をついたツクシもその内の一人です。

 

 「はぁ、あんなに美しい花を咲かせられて、実も素晴らしい実を実らせるのですもの。そりゃ代表にも選ばれるわよね」

ツクシは花を咲かすことさえできません。
他の仲間のほとんどは、人が摘んでいきました。
どうやら食べると美味しいらしいのです。
仲間は誇らしく摘まれていきましたが、このツクシは残ってしまったのです。

自分はなんのために生まれてきたのだろうと悲しくなりました。

でもツクシは食べられて栄養になるよりも、ないものねだりでも、自分も華やかで美しかったなら……とやはり思ってしまいます。

 

「私も美しく咲いて、たくさんの人に愛されたい。パーティーで踊りたかった」

そう思うと、涙がこぼれました。

 

 すると、その涙がプリズムとなって、みるみる空へ散っていくではありませんか。

ツクシがビックリしていると、そのプリズムがにじいろのちょうになりました。

 

にじいろのちょうは、ひらひらとパーティーでその羽を震わせます。

みんなが「美しい……」「なんてきれいなの」と言って、見とれています。

 

ツクシはびっくりしましたが、それ以上に嬉しさがこみ上げてきました。
自分の涙があの美しいちょうを作ったのだと思うと誇らしくなります。
にじいろのちょうは、パーティーが終わるまで、ひらひらと舞っていました。
皆が「つくしも代表だね」と言ってくれ、ツクシは、とてもとても満足し、自分に自信を持ったのです。

 

おわり

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少し本文を変えました。
ツクシが人に摘まれるのは最初入れようと思っていたのですが、やめた部分です。
ですが、一郎丸様のコメントを見て、やっぱり入れた方がいいなと思いました。

分不相応の夢を持っている人たちに、それでも叶うよというメッセージを贈りたくて、この物語がうまれました。

最後に絵を描いて、創作意欲をくださった一郎丸様に深く御礼申し上げます。
ありがとうございました!

お読みくださった皆様もありがとうございます!
何か感じることがございましたら、コメント欄にて教えてくださったら、嬉しいです。

ではヽ(^o^)丿


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童話作家を目指している女性です。ゆったりと穏やかに、文章を綴っていきたいです。自作の童話も時々載せますので、よろしくお願いいたします。

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