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#64【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「飛越の堺つりはし」
#64【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「飛越の堺つりはし」
2022/10/30 13:52 |
829
文字
皆様こんにちは!
絵画インストラクター松本です。
葛飾北斎の「諸国名橋奇覧」
(しょこくめいきょうきらん)
は全11図。
今回は「飛越の堺つりはし」の解説です!
「飛越の堺つりはし」
「飛越の堺つりはし」
(ひえつのさかいつりはし)
![飛越の堺つりはし](https://topview.jp/uploads/2022/10/1666967932-8-飛越の堺つりはし.jpeg)
橋というか、綱渡りですね!!
夫婦と思われる男女が描かれています。
女性の頭には柴(自生する雑草の総称)、
左手には風呂敷。
お昼ご飯が包まれているのでしょうか。
二人とも平然と歩いており、強者感が半端ないです!!
橋がたわんでみているほうはハラハラします。
飛越・・・飛騨と越中の国境(現在の岐阜県と富山県の間)
雁(がん)・・・カモ科の水鳥。雁行(がんこう)といって列をなして飛ぶ。
橋の向こうには鹿が2匹。
くつろいでいる姿が美しいですね。
いろいろ資料を探したのですが、
この橋は特定できませんでした。
現在のこっているのかも確認できなかったので、
江戸時代にあったのか定かではありません。
北斎の想像で描かれたのかもしれません。
想像したとしたら、
どのような気持ちで想像したのでしょうか。
推測ですが
深山の神秘的な空間での橋ということで、
あの世とこの世をつなぐ橋を描いたのでは、と思います。
二人の行く先はやや緩やかで鹿がくつろいでいるあの世、
二人の来し方は断崖絶壁のこの世。
日本では中世以降、
橋に「あの世とこの世の境界」という考えがあったようです。
その考えの下地があることから
この神秘的な橋を描いたのではないでしょうか。
私の想像に反して
本当にあった橋であったら
「江戸時代の人すごいなぁ」と
素直に感服します。(^^;)
現代人の私たちからすると
絶対に渡りたくない橋だと思います!
(渡りたいよ、という酔狂な人がいるかもしれませんがΣ(゚Д゚))
北斎の構図 対角線構図
画面の対角線に被写体を置く構図を
対角線構図といいます。
こちら側の岸壁、橋と人、対岸、
と対角線上に流れるような配置で
引き込まれますね!
![対角線構図](https://topview.jp/uploads/2022/10/1667090492-.jpeg)
読んでいただきありがとうございました。
それではまた次回!
(^^♪
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この橋があの世に繋がっているなら、絵のご夫婦に「そっち行ってはダメ~」と声をかけたくなります。しかしながら、美しい絵ですね。こんなに美しい景色だと、本当に天国に繋がっていそうですし、怖い綱渡りさえ見入ってしまいます。不思議な感覚に陥りました。ご紹介、ありがとうございました!
23私もこの絵に見入ってしまいました。大胆な構図です。久しぶりに更新したため(約三か月ぶり)記事をかくのを緊張していたのですが、コメントを読んでホッとしました。(^^♪読んでいただきありがとうございます!
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