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持参と送付

持参と送付


「ご持参ください」「ご送付ください」

敬語としてよく使われる言い回しですが、個人的にはどうも違和感があり、

「お持ちください」「お送りください」と言い換えるようにしています。



どこに違和感があるのかというと、、、



◆「持参」は文字通り「持って参る」ことなので、こちら側の行為を表す。
「ご持参ください」は一見丁寧なようでいて、相手の行動を促す言葉としては適切ではないのではないか。
相手に対して「持って参れ」ってアナタ、殿様じゃあるまいし...。

◆「送付」もこちら側の行為を表す言葉なので、「ご」を付けたところで丁寧語にはならないだろう。
何でもかんでも「ご」さえ付ければ聞こえの良い敬語になるというわけではないでしょうよ...。

って感じ。



しかし、「本当のところはどうなんだろう?」と思い、調べてみました。

結論から言いますと、どちらも敬語として通用します。



まず「ご持参ください」が正しい敬語表現なのか迷う背景には、「ご持参」の中に、謙譲語の「参る」が含まれているためです。

謙譲語とは、自分がへりくだることで相手をたてて敬意を示す表現のため、目上の人に対しては不適切な表現です。

そのため、相手の行為を表す「ご持参ください」は、言葉として間違いではないのかと感じるのです。



しかし、文部科学省が発表している「敬語の指針」によると、

「参る」や「申す」は、謙譲語Ⅱ(丁重語)に当たる敬語である。
しかし「ご持参ください」「お申し出ください」「お申込みください」などといった表現の中に含まれる「参る」や「申す」は、謙譲語Ⅱとしての働きは持っていないと言ってよい。
したがって、これらの表現を「相手側」の行為に用いるのは問題ない。

とのこと。



それでも、相手によっては失礼だと捉えられることもあるかもしれません。

相手や場面に応じて、「お持ちください」や「ご用意ください」など、別の言葉で言い換えられるようにしておけば安心です。



次に、「ご送付ください」。

「送付」とは「送り届ける・送り渡す」という行為を表す言葉です。

「持参」ほどややこしいことはなく、自分にも相手にも使えます。

自分が送る場合は「送付いたします」「ご送付いたします」のどちらでも構いません。

(ちなみに「ご送付いたします」は、自分の行為について「ご~いたす」という形で使っているので、二重敬語ではなく謙譲語です。
「ご連絡いたします」「お電話いたします」と同じで、その行為の向かう対象である相手を高めるための「ご」「お」です。)

相手に送ってもらう場合は「ご送付ください」「ご送付願います」とするのが適当です。

これは相手の行為に「ご」を付けているので尊敬語として使えます。

言い換えとして「お送りください」がありますが、「ご送付ください」との使い分け方として、
◆文章で伝える時や、強めに依頼したい時は「ご送付」
◆口頭で伝える時や、柔らかく伝えたい時は「お送り」

とするのが良いようです。


納得ですぅぅぅぅぅ!!



違和感をそのままにせず、気になった時にすぐ調べてみることで、自分の知見が広がります。

「知る」という行為は、とても楽しいものです。

ただ、「あれ、何だったっけ…」と物忘れしてしまうのがオバチャンあるある。。。

そうならないために、こうやって書き留めておりますのよ(笑)




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